訪問看護に転職したいけど、どのような訪問看護ステーションで働くのが良いのか悩んでいませんか?
職場選びは働きやすさに直結し、訪問看護師としての成長にも影響します。
ぜひ素敵な訪問看護ステーションで働きたいですよね。
当記事では、大人数の訪問看護ステーションについて解説します。
この記事でわかること
- 大人数の訪問看護ステーションの良いところ
- 大人数の訪問看護ステーションのデメリット
働く訪問看護ステーション選びの際のポイントのひとつになると思いますので、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてくださいね。
ではさっそく解説します。
目次
大人数の訪問看護ステーションとは?
そもそも「大人数の訪問看護ステーション」とは、具体的にどのようなステーションを言うのでしょうか?
全国訪問看護事業協会の資料には、以下のとおり記されています。
大規模訪問看護ステーションの目安として、当協会では看護職員数が常勤換算7名程度で、小児や重症者、終末期の受け入れや、職員の雇用と教育体制を整備していることと考えています。
一般社団法人全国訪問看護事業協会「訪問看護ステーションの大規模化について」
まとめると、以下のようになります。
- 看護職員が常勤換算7名程度(以上)在籍している
- 小児や重症者、終末期の利用者さんの受け入れを行っている
- 職員の雇用と教育体制が整備されている
このような特徴があると捉えてよいでしょう。
上記の説明にある「常勤換算」とは、訪問看護ステーションの設置基準となるものです。
訪問看護ステーションには、「事業所毎に常勤換算2.5人以上の看護職員を配置する」という決まりがあります。(参考:厚生労働省)
「常勤換算2.5人」ということは、最低でも看護師が3人いれば訪問看護ステーションは運営できます。
少人数で運営している訪問看護ステーションも数多くあります。
今後、超高齢化社会を迎えていく日本ですが、政府としては訪問看護ステーションの大規模化を進める傾向にあります。
大人数の訪問看護ステーションの良いところ5選
では、大人数の訪問看護ステーションにはどのような良いところがあるのでしょうか?
以下のような良いところがあります。
大人数の訪問看護ステーションの良いところ
- 経営が安定しやすい
- さまざまな経験を持った看護師が集まる
- 幅広い疾患の利用者を受け入れられる
- 教育体制が整備されている
- 働きやすい環境が整備されている(休暇やオンコール体制など)
順番に解説します。
経営が安定しやすい
大人数の訪問看護ステーションは経営が安定しやすいという大きなメリットがあります。
スタッフ数が多い分、多くの利用者さんを受け入れることができるからです。
多くの利用者さんを受け入れることができると、それだけ利益も上がります。
ゆえに経営が安定しやすく、事業をしっかり継続していくことができます。
さまざまな経験を持った看護師が集まる
大人数の訪問看護ステーションは、さまざまな経験を持った看護師が集まりやすいです。
訪問看護の対象者は、0歳の赤ちゃんから100歳以上の高齢者まで非常に幅広く、疾患も多岐にわたります。
自分が経験したことのない疾患の対象者であると、看護やケアに迷います。
そのような時、その分野に詳しい看護師がいると非常に心強いです。
お互いの知識や良いところを持ち寄り、足りないところは補い合うことができるので、提供する看護の質も向上します。
大人数の訪問看護ステーションの強みと言えます。
幅広い疾患の利用者を受け入れられる
大人数の訪問看護ステーションは、幅広い疾患の利用者さんを受け入れることも可能です。
例えば…
- 癌終末期
- 神経難病
- 医療的ケア児
- 重症心身障害児
- 精神科疾患 など
上記のような疾患の利用者さんは、密な訪問や24時間支援体制が欠かせないことが多いです。
大人数の訪問看護ステーションはスタッフが充実しているため、そのような利用者さんへの対応もしっかり実施することができます。
利用者さんにとっても有益です。
教育体制が整備されている
大人数の訪問看護ステーションは、教育体制が整備されているところも多いです。
- OJTを計画的に行っている
- 指導職員を配置している
- 教育スケジュールが言語化されており、定期的な振り返りも設けられている
各訪問看護ステーションによって具体的な教育体制は違いますが、新入職員がしっかり成長していけるような体制を整備していることが多いです。
新卒の看護師を採用している訪問看護ステーションもあります。
教育体制が整備されていると訪問看護が初めての方でも安心して働くことができます。
大きなメリットです。
労働環境が整備されている(休暇やオンコール体制など)
大人数の訪問看護ステーションは、スタッフが無理なく働ける労働環境が整備されていることも多いです。
例えば…
- 休みが取りやすい
- オンコール当番の回数が多すぎない
- 福利厚生が充実している
スタッフ数も多く、経営も安定している大人数の訪問看護ステーションでは、上記のような働きやすい環境を物理的に整えることが可能です。
休みやオンコール当番の回数などの労働環境は、長く働いていく上で非常に重要です。
大人数の訪問看護ステーションのメリットのひとつです。
大人数の訪問看護ステーションのデメリット3選
では逆に、大人数の訪問看護ステーションのデメリットはどのようなところがあるのでしょうか?
以下のようなデメリットが考えられます。
大人数の訪問看護ステーションのデメリット
- コミュニケーション不足になりやすい
- スタッフ皆に理念や思いが浸透しづらい
- 業務量に差が出やすい
順番に解説します。
コミュニケーション不足になりやすい
大人数の訪問看護ステーションは、スタッフ同士のコミュニケーションが不足しやすい懸念があります。
大人数ゆえ…
- すべてのスタッフとなかなかコミュニケーションが取れない
- 共有しなければならない情報が抜けやすい
- 直行直帰の訪問があるとなおすれ違いになりやすい
- 各スタッフ皆が忙しく動いているため全員とゆっくり話す時間はない
このような状況があるためです。
訪問看護において、スタッフ間のコミュニケーションは非常に重要です。
利用者さんについての情報共有もスタッフ皆でしっかり行わなければなりません。
訪問で迷ったり困ったりしたことを相談しあえることも大切です。
大人数でもコミュニケーション不足にならないための工夫をしている訪問看護ステーションだと、安心して働けるでしょう。
スタッフ皆に理念や思いが浸透しづらい
大人数の訪問看護ステーションは、スタッフ皆に理念や思いが浸透しづらい側面もあります。
訪問看護ステーションにおいて、掲げる理念や思いをスタッフ皆で共有し、同じ方向を見て進んでいくことは非常に重要なことです。
しかし、スタッフ数が増えていく過程で、どうしても違う方を向いて進んでしまうスタッフが出てくることがあります。
少人数の訪問看護ステーションだと意識の共有や高め合いもしやすいのですが、大人数だとひとりひとりの意識が希薄になりやすい特徴がどうしてもあります。
管理者がこれに対しどのように考え行動しているか確認できると良いでしょう。
業務量に差が出やすい
スタッフ数が多いゆえ、各スタッフの業務量に差が出て不満につながるケースもあります。
- 「受け持ち利用者の重症度が違いすぎる」
- 「書類業務の量が違いすぎる」
- 「オンコールの回数が違いすぎる」
業務に偏りがあると、「楽をしているスタッフがいる」と感じてしまい不平不満が生まれる可能性があります。
人数が多いために業務の振り分けが雑になってしまい、あまりにひとりひとりのスタッフの業務内容に差がある訪問看護ステーションだと、このような不満が生まれるかもしれません。
あなたにマッチする訪問看護ステーションで働けることが大切
大人数の訪問看護ステーションにはメリットがたくさんあります。
しかし、大人数だからと言ってどの訪問看護ステーションも必ず同様のメリットがあるわけではなく、あなたに合う職場であるとも限りません。
少人数の訪問看護ステーションにも素晴らしい職場はたくさんあります。
働く訪問看護ステーションを決める際にはぜひいろいろ見学に行ってみましょう。
見学をして見比べることで、「ここで働きたい!」と心惹かれる訪問看護ステーションに出会えると思います。
訪看みっけに掲載されているたくさんの訪問看護ステーションは、あなたの見学を心からお待ちしています。
ぜひあなたに合う訪問看護ステーションを探してみてくださいね!
看護師|総合病院で9年勤務後訪問看護の道へ。訪問看護師歴は12年目。2児の母でもあり現在は訪問看護パート勤務で仕事も家庭も奮闘中。Webライターとしては訪問看護に少しでも興味を持ってもらえる「伝わる」記事を書くことが信念。訪問看護に特化した「ママさん訪問看護師のブログ」も運営中。